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PRODUCT / DEVELOPMENTモノづくりの話

開発エピソード

大ヒット商品の裏側。 大ヒット商品の裏側。

僕はね、昔からコレクター気質なんですよ。マンガなんかも一巻からそろっていないとイヤですし。おもちゃが飛び出す入浴剤は、そんなコレクター気質が生んだ商品と言えるかもしれません。僕は前職時代から、おもちゃが中に入った卵型のチョコレート菓子を趣味で収集していたんです。ある日、本屋さんで売っているのを見つけて、1個買ってみたら、驚いて。それからずっと集めていたんです。

その後、当時、父が社長を務めていた関西酵素に入社。うちは入浴剤をつくっているので、あのチョコレート菓子と同じような商品をつくれたら、と思ったんです。中からおもちゃが飛び出してきたら、おもしろいだろうと。それから、研究所に依頼をかけました。でも、開発は難航。商品化するためには、粉末を固める技術が必要なのですが、どうしても固めることができなかったのです。2トンレベルの圧力をかければ、固めることはできますが、それでは中のおもちゃが壊れてしまう。だから、軽く握るような感覚で固めなければいけません。開発に行きづまった研究所から返ってくるのは、「できません!」という答えばかり。ついには、開発メンバーがギブアップしてしまいました…(苦笑)。

それでも、僕はあきらめなかったですね。どうやったら固められるか。そればかりを考えていました。そして、新大阪駅近くのガード下を歩いているとき、ふと思いついたんです。プラモデルなんかで使う接着剤をエタノールに溶かして粉にまぶせば、固めることはできるんじゃないか、と。さっそく試してみると見事、固めることができたのです。この方法を開発に伝えると、「化粧品の原料に似た成分のものがあるので、その方法ならばできるかもしれません」と、再び研究所が動き出しました。

試作品ができあがるとすぐ、先代の社長に持ち込みました。しかし、「そんなもの、売れるか!」と一蹴。大量生産するとなると、成形機も必要になるし、設備投資だけでも億はかかります。そのため、会社としても簡単にはGOサインを出せない。でも、自分の中では絶対に売れるという確信があるわけです。だからこそ、いかに売れるかをプレゼンし、1日中、説得を試みました。それでようやく、「そこまで言うなら、やってみろ!」とGOサインが出たのです。

もちろん、億を超える設備投資をするわけですし、自分から言い出したことなので、絶対に成功させないといけません。その責任がありますから。それからプロジェクトチームをつくって、某有名玩具メーカーへ提案に行きました。「こんな商品、つくりましたよ」と。すると、お客様は商品を見た瞬間、「やりましょう!」と即答。一発で話がまとまったのです。それは、アイデアと技術力がズバ抜けていた何よりの証拠でした。そして、念願の発売へとこぎつけたのです。今ふりかえって思うのは、どこで開発がストップしていてもおかしくなかった、ということ。累計1000万個以上を売り上げた大ヒット商品の裏側には多くの壁があったのです。余談ですが、設備投資分はわずか1年で回収しましたよ、にやり。